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2017年12月17日日曜日

2017.12.16-17 白毛門(初冬合宿代替)

初冬合宿代替山行2 

日程:12/16-17 
天気:(1日目)晴れ後曇り後風雪(2日目)風雪 
メンバー:岸本(L)、阪本、三浦、近江、箱守、畑中 
記録:畑中 

行動概要 
1日目:土合駅1050=松の木沢の頭1400=就寝1900 
2日目:起床0500=出発0720=白毛門登頂0950=松の木沢の頭発1240=土合駅駐車場1430=土合駅1530 


土合駅に集合し、下り線のあの階段を登る。駅の待合室的なところで支度をし出発。空は快晴。暑いので、インナーに直接レインウェアという格好になる。駐車場を過ぎ、橋を越えたあたりから一年生と上級生がペアになり、一年生に自由に歩かせてラッセル練習を開始。尾根に到着したあたりで終了。そこからは一般道を普通に歩く。晴天なので、やはり暑すぎる。レインウェアも脱インナーも脱ぎ長袖一枚に着替える。途中休憩中に地形図を読む練習をする。みんな大方合っていたように思う。松の木沢の頭に到着し、テント設営を始める。この頃には谷川の国境稜線から見るからに吹雪そうな雲がずっしりと姿を現していた。

松の木沢の頭より一ノ倉沢
明日の天気が不安…
一年生の三人で立て始めるが、遅すぎると上級生に指摘される。二回目。まだ遅いと言われる。お互いに指示を出しあうという行為が欠けていたようだ。テント設営の途中には厚い雲が空を覆い風雪となる。なんとかテント設営のお許しをもらい、皆テントの中に入る。時間もあったので、外でピットを掘ったり、ビーコン捜索練習をする。畑中はラジオで天気情報が流れる時間になると放送に従って天気図をかく。日本中が低気圧ばかりでびっくりした。久々に書いたにしては悪くない出来だ。夕食はカレーだ。箱守が作ってきてくれたペミカンはいい匂いがしてとても食欲がそそられる。先輩に「石油を食わされた」と言わしめた吉田のペミカンとは一味も二味も違うだろう。ひとしきり話して、就寝。 
起床し、食事を済ませ、出発の支度をする。ハーネスをつけていくかどうかという話しになり、岸本は「必要ない」というが阪本は「途中でつける可能性が少しでもあるなら初めからつけていくべき」という。結局つけていく。前日まであった踏み跡は消えており普通のラッセルとなる。一年生が交代で先頭を行く。まだまだ苦しい。体力をつけねば。ラッセル時にはルーファイも大事でできるだけ楽になるように進路を取らなければならない。基本的には尾根に忠実に行くが、岩(岩かどうかは大きくて定かではないが直登は無理そう)のピークなどは巻いて行く。所々岩が露出してい腰あたりまである段差を登るが、登山靴が滑りそうで怖い。進路が大きく曲がるところで赤布を刺しながら進む。下山時にこれにかなり助けられる。尾根から少し離れて雪面を登っている時に、後ろの上級生から「この雪大丈夫か?」という声が聞こえる。確かに表面の10数cmは少し硬いがその下は軟らかい。雪崩の恐れもあるため先頭を岸本が代わりトップとなりめに抜ける。雪の状態を気にせず歩いていたことに猛省しなければならない。尾根に戻り少し進むと鎖場がある大岩が出てくる。ロープを出すほどでもないがベルグラが張っていて滑ると致命的な地形だったこともあり、フィックスをはることにした。岩手前にある小さな平らなところでアイゼンを装着する。オーバー手袋でアイゼンを着けるのに手間取らない。これは良い進歩だ。阪本がトップで行き後続がそれに続く。その後細いリッジを歩きピークにたつ。

頂上直下のリッジ
これが山頂か?と少し戸惑ったが雪を掘ると白毛門山頂にあったモニュメントが見つかる。登頂だ。
頂上のモニュメント
秋の沢登りで白毛門を登頂していたことが役立った。風雪が激しく長居する必要ないので速やかに下山を開始する。三浦が先頭で行く。視界がとても悪い中、往路で刺していた赤布に大いに助けられる。逆に、刺していなかったらと思うと恐ろしい。ピストンにおいて赤布は大事なことを痛感させられる。松の木沢の頭に近づくに従って風雪も穏やかになってくる。無事にテン場に到着し、テントを片付け、V字状にプローブを刺して埋没している人を探す練習をする。一通り手順を確認した後、一年生が1人ずつ埋まって実際にただの雪と人間の刺した感触の違いを体感する。それも終わると、下山開始。途中踏み固められてツルツルになっている箇所がいくつもあり、何回も滑ってこける。滑り台状態。最後の方はあえて一般道を外れてふわふわの雪の中を進んだりもした。個人的には一般道がツルツルで怖いのでこっちの方が安全な気がする。土合の駐車場に到着すると、まだ時間もあるので、平らな駐車場を雪面に見立ててビーコン捜索練習をする。埋没者のビーコンが機能しなくなっている場合があることや、V字捜索は雪崩発生地点と消失点の延長線上から始めるなど当たり前のことを忘れていた。実際はもっと焦るだろうから、普段から心がけないといけない。ビーコン捜索練習も終えて、土合駅に戻り、帰京。 

2017年11月23日木曜日

2017.11.23 霞沢岳南尾根

20171123~24日(予定では25日まで) 霞沢岳南尾根
文責:近江泰吉郎
メンバー:L白石、阪本、近江

1123
天気:雨のち曇りのち雪
コースタイム:09:05沢渡-09:30発電所(登山口)-11:10発電所最上部-14:25幕営(2000m付近)

 前日は松本駅構内で眠り、この日は朝松本バスターミナル07:50発の高山行きのバスで08:55に沢渡に到着した。靴を履くなどの準備をし、出発。この時にはすでに雨は止んでいた。発電所まではコンクリートの車道を歩き、その後は葛折りの登山道を登ってゆく。葛折りの道は発電所の最上部まで続いており、最上部まで行くとうっすらと雪が積もっていた。そこから先は尾根に上がり、尾根伝いに歩いた。尾根に上がったところでは約5cmの積雪があった。風はあまり強くなかった。広い尾根であった。2000m付近で幕営適地を発見し、上部は風が強いことなど考えそこで幕営することにした。幕営地では膝下くらいまでの積雪があった。
 テントを立て、湯を沸かそうとしてコンロに火をつけた時にコンロが壊れていることが発覚した。火力が強くならなかったのである。これでは雪を溶かして水を作ることは難しいということで、この日の夜と次の日の行動水はこの日の朝汲んできた水で済ますことになった。阪本が4L上げていたことが幸いした。この時点で、次の日に下山した方が良いのではないかという話が上がった。

1124
天気:雪
コースタイム:06:15出発-08:00 2304m地点-09:35コル(2400m付近)-10:00引き返す-11:45帰幕-15:10撤収、出発-17:00発電所最上部-18:10沢渡

 朝食をとったり湯を沸かしたりしながらこの日の行動について話し合い、この日の目標は登頂して下山することであり、特にこの日中に下山することが最優先であるということになった。水作りもできず、湯もろくに沸かせない状態で雪山にいるのは危険と判断したからである。16:00に日没として、幕営地から沢渡まで3時間かかりテント撤収に1時間かかると考え、遅くとも12:00までには帰幕しようということになった。
 前夜に雪が降ったので雪が少し深くなっていた。この日の雪の深さは全体を通して膝上くらいといった感じであった。また、天気は1日を通してパラパラと雪が降り続け、強くない風が吹き続けるといったものであった。出発して少し歩くとこれまでよりも急な斜面が現れた。そこでは笹薮の中を進んでいった。笹薮の急斜面が終わっても前日歩いたものよりは急な斜面が続いた。2100m付近で帰りに迷いそうな地点があったため赤布付き竹竿を使った。2304m地点を過ぎてしばらく歩き、2400m付近の小ピークで切れ落ちている箇所があったが、ここはロープを出さずに通過した。この辺りでは風が強いためか雪は深くなかった。そして2400m付近のコルで09:30になりここで先に進むか戻るかの決断を迫られた。30分ほど話し合った挙句戻ることになった。
 コンロは壊れているとは言え火がつかないわけでは無かったので、火力が弱くても水が作れるのなら次の日もアタックしようということになった。帰幕すると取り敢えず水作りを始めた。すると、この日の晩と次の日の行動中に使う水を作るのに7時間かかることが判明したため次の日もアタックすることは現実的でないと判断し、この日のうちに下山することになった。沢渡からの最終バスが18:10発であったので15:00には出発しようということになったが、近江が準備にもたつき、出発が10分遅れた。

 下山を開始すると、夕方であるせいか前日よりも風が強かった。雪も依然として降り続けていたが、午前中よりは弱まっていた。先ほど記したように尾根が広かったのでどこを降りれば良いのかがわかりにくく、途中何度か道を間違えた。それでも木に結びつけてあるテープや地図を確認しながら下って行った。発電所最上部についた頃にはかなり暗くなっていた。結局バスには間に合った。

2017年10月7日土曜日

2017.10.07-08 鳳凰三山縦走

2017107,8日 鳳凰三山縦走
文責:近江泰吉郎
メンバー:吉田、箱守、近江(L岸本は欠席)

107
天気:曇り
コースタイム:10:50夜叉神峠登山口-11:40夜叉神峠-12:45杖立峠-13:55苺平-14:30南御室小屋

 午前09:20に竜王駅に集合したのだが、この時衝撃的な出来事が起こった。岸本さんの不参加が決定したのである。岸本さんはこの山行が108,9日に行われるものだと勘違いしていたそうである。こういうわけで残りの三人は皆何とも言えない気分でバスに乗り込んだ。
 夜叉神峠のバス停で下車し、軽く昼食を取った後登山届を提出して登り始めた。曇っていたため夜叉神峠から白峰三山を臨むことはできなかった。緩めの登りをひたすら登って予想よりも早く4ピッチで南御室小屋に到着した。
 この日の夕食は吉田手作りの麻婆豆腐であった。これは麻婆豆腐の素などを使ったものではなく、豆板醤や甜麺醤等を使って作る本格的なものであった。とても美味しかったが、かなり辛かった。食べるのが辛くなるほど辛かった。実際吉田、箱守の2人は腹痛を起こしたそうである。

108
天気:晴れ
コースタイム:05:45南御室小屋発-06:45薬師岳-07:20観音岳-08:30地蔵岳-09:10地蔵岳発-09:45高嶺-10:45白鳳峠-12:40広河原

 朝から晴れていた。調子よく1ピッチで薬師岳に到着すると美しい白峰三山の景色が広がっていた。山の雑誌に載っている写真くらいくっきりと見えた。

ここで写真撮影などし、観音岳へと歩いた。観音岳でも晴れていたのでやはり写真撮影をしたり景色を眺めたりした。地蔵岳ではさすがに似たような白峰三山の写真ばかり撮るのに飽きたのか、写真はほどほどにしてオベリスクに登ろうという話になった。オベリスクの先端の一歩手前で、この先登るのは無理そうだということになり諦めた。高嶺まで尾根道を歩くとそこから先はひたすら下って広河原に着いた。地面が濡れており滑りやすかったので少し怖かった。

・以下はメンバー二人による感想文

 鳳凰三山には今年の6月にも一度訪れている。このときはガスのため眺望が悪く、また歩荷だったこともありこの山域に良い印象は持っていなかった。しかし鳳凰三山は白峰三山を始めとする多くの山を見渡せるその眺望で有名であり、秋には紅葉が綺麗だということも聞いていたので、今回はリベンジという気持ちも持ちながら計画した山行であった。今山行での楽しみは大きく二つあった。一つ目は先に挙げた眺望や紅葉といった山の景色、そしてもう一つが美味しいご飯を作り食すことだ。
 初日の杖立峠あたりまでは紅葉も見られず、予報通りの曇天であった。しかしこのあたりから所々色づいた葉が見え始め、さらに高度を上げると青空が見えてきた。開けたところからは白峰三山が一望できた。翌日の稜線からの大パノラマを楽しみにこの日は就寝した。2日目の未明、トイレのため幕外に出ると満天の星空だった。私の知っているおそらく唯一の星座であるオリオン座を観測し、冬が近づきつつあると感ぜずにはいられなかった。この日は出発してすぐ真紅の太陽が姿を見せ、心を躍らせて薬師ヶ岳を目指した。砂払付近で森林限界を迎えると360°の眺望を得た。雲海のうえに、白峰三山、仙丈ヶ岳、八ヶ岳、そして富士山を指呼できた。また山頂直下では一面に赤や黄の木々を見ることができた。今回で鳳凰三山に対する印象は変わった。

 二点目の食事について。今回は夕飯に麻婆豆腐を用意した。以前より来年の新歓山行では中華を作ろうという話があったので、その練習としての意味もあった。下界で作るものと同程度のクオリティで出来たのだが、腹痛になるほどの辛さにしてしまったことは反省している。山では辛さは控えるべきだと学んだ。夜余ったご飯は焼きおにぎりにして朝食とした。別の方策を含め余ったご飯の食べ方には工夫の余地がありそうだ。一泊程度の山行や長期の山行の一日目ならば生鮮食品も持っていけるので、今後別のメニューも開発していきたいと思う。(吉田)


一日目、バス出発時間の一時間前に駅に着いたので竜王駅周辺を散歩してからバス停へ。バス停で待っていることをLINEすると即、岸本さんから電話が飛んできた。なんでも山行実施日を勘違いしていたらしい。この時間から来ても間に合いそうにないので不参加が決まり、またその後の電話で岸本さんを除く三人で山行を実施するよう連絡が来た。共装は全て一年が持っていたので支障はなかったが、寂しかった。
夜叉神のバス停から南御室小屋まではひたすら緩い登りが続く。標高を上げていくと次第に紅葉が見られた。後半は天気も良くなり、日差しが暑かった。南御室小屋のテント場はよく整備されていて綺麗。水場には南アルプスの天然水が湧いていた。この日は家から南アルプス天然水(ペットボトル)を持って行ったのだが、南アルプスの天然水(湧き水)は南アルプス天然水(ペットボトル)よりも美味しかった。
夕食は吉田が麻婆豆腐を作ってくれた。豆板醤や花椒を使った本格的なものだったが、当人曰くいつもより辛くしすぎたらしい。確かに辛かった。喉に突き刺さるような辛さだった。味は美味しかったがこの辛さは辛い。見事に吉田とともに腹痛になってしまった(ビオフェルミンのおかげでその後は問題なかったが)。麻婆豆腐の他に、追加でサンマの蒲焼の缶詰とフルーツ缶も持って行ったので皆で分けて食べた。至福の時間。さすがに夏より暗くなるのは早く、することもなかったので18時過ぎに就寝。
翌午前2時半頃、トイレから戻って来た吉田が、星空が綺麗だったと言うので私は静かにテントを抜け出し撮影を開始した。今回はカメラの他に三脚も持って来たので、雲ひとつない星空を存分に撮影した。
二日目は朝から快晴だった。早朝の朝日、稜線上から眺める白峰三山をはじめとする南アルプスの山々と紅葉、雲海やそこから突き出た富士山はどれも素晴らしく、我々を魅了した。この山に来てよかったと強く思った。
地蔵岳ではオベリスクの下まで行ってみたが、クラックに沿って登れば上まで行けるかもしれないが体一つで行くのは危険なので引き返した。
広河原に下山すると臨時便のバスが出るほど人と車で混雑していた。芦安駐車場は第一〜第八が全て満車で、溢れた車が道に止められている酷い有様。鳳凰三山の夢のような楽しい時間の終了を告げられ、名残惜しい気持ちを抱きながら激しく揺れるバスの席で眠る。(箱守)