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2014年12月13日土曜日

2014.12.13-14 白毛門・谷川岳

記録:白石薫平

メンバー
塚本字信(CL)、白石薫平

2014年12月13日 白毛門
曇り後吹雪、時々晴れ
土合駅8:45--12:20松ノ木沢の頭12:30--14:50谷川岳ロープウェイ土合口駅

東京を始発で出発し、一路土合駅を目指した。悪天候を予想して身構えていたため、水上駅で青空を見たときは拍子抜けした。

土合駅の階段を登りきり、改札の前で準備を整えた。出発の時点では上州方面が晴れ、越後方面が曇りという典型的な天候だった。土合橋から登山道に入った。トレースがあり、それを辿りながらつぼ足で登ることになった。1時間毎に休憩を入れながら、登山地図の参考タイムとほぼ同ペースで進んだ。出発後2時間ほどはマチガ沢や一ノ倉沢衝立岩が見えていたが、谷川岳国境稜線や白毛門方面には雲が迫っていた。2度目の休憩の直後、つぼ足では沈むようになりワカンを履いた。進むにつれ雪と風が強まった。松ノ木沢の頭ではかなり強い風が吹き、視界も不明瞭だったので、ここで引き返すことにした。

下山を始めると風雪は強まり、我々の選択は間違いではなかったと一安心したが、標高を下げるにつれて風も雪も収まり、白毛門方面には青空も見えるようになった。下山途中、所々に急な下りがあるが、特に問題はなく通過した。そして土合橋に降り立った途端に、猛吹雪になった。土合橋でワカンを外し、谷川岳ロープウェイの土合口駅まで急いだ。

到着後は建物の中で一休みし、塚本が登山指導センターは開いていないか見に行った。鍵がかかっていたため、土合口駅の建物内で夜を明かすことに決めた。閉館時刻が近づいてから駐車場に移動してテントを張った。夕食は、疲れていたため調理が簡単な乾燥米とフリーズドライの親子丼を食べた。5階の駐車場は風も雪もなく快適だったが、寒さは外とあまり変わらなかった。

2014年12月14日 谷川岳西黒尾根

谷川岳ロープウェイ土合口駅6:30--8:50西黒尾根1,200 m地点9:00--10:00谷川岳ロープウェイ土合口駅10:30--11:00土合駅12:20--12:35水上駅12:56--14:01高崎駅

起床は4時20分で、朝食のラーメンを食べた。食後、まだ明るくなる前だったので30分ほど仮眠を取った。歩荷は前日の白毛門で行なったため、必要のない装備は土合口駅のコインロッカーに入れ、出発した。

昨晩から雪は深々と降り積もり、除雪車も出動したこの朝は登山指導センター前で膝までの積雪だった。ここでワカンを履いた。登頂を目指して無理をすることはせず、ラッセルの練習を目標にしようという了解の下、歩き出した。西黒尾根の夏道入り口からトレースがあり、これを利用しながら登り始めた。ところが、吹雪でトレースは埋まり始めていた。
尾根上では腿まで積雪があり、吹き溜まりでは胸まで雪が積もっていた。雪は一向に止む気配はなく、標高を上げるに従ってマチガ沢方面から風も強くなる始末だった。少人数の我々はだんだんと気勢を削がれ、電車の時刻とロープワーク練習を行なう時間を考慮して、1,200\,m地点で良しとすることを決めた。雪質もサラサラの乾雪で、短時間に大量の積雪があったこと、ラクダの背を越えて上部へ行くと雪崩が起こる可能性もあること、肩ノ広場はホワイトアウトしているだろうこと等を総合的に勘案した。

我々が降り始めてから、下から3パーティーとすれ違った。下山は滞りなく進み、土合口駅で一息入れてコインロッカーの装備をパッキングした。ここから土合駅までも吹雪の中を滑りやすい路面に気をつけながら歩いた。

土合駅の改札前に荷物を置き、ハーネスなどの支度を整えて、土合ハウス前の斜面でロープワークの訓練を始めた。初めにスタンディングアックスビレイで相手を止める訓練をした。雪はフカフカで、アックスを刺すと地面に到達してしまい、アックスを埋めるのに苦労した。石突きを埋めれば問題なく止められるものの、ピックのみを刺して横置きにすると止めることは出来なかった。スノーバーの横置きでも同様に止められなかった。技術を机の上で学んでいるだけでは駄目で、実地で練習することで初めて手順や適用可能範囲・条件が分かるのだということを痛感した。

訓練を終え駅舎に入り、電車の到着を待っていると、保線員と思われる男性が上越線水上長岡間運休の情報を教えてくれた。親切にも水上駅に電話してくれ、タクシーで無事水上駅に行くことが出来た。水上駅でも雪は降っていたが、後閑駅辺りまで来ると降っていなかった。高崎駅で解散し、各々東京に帰った。上越線だけでなく上越新幹線も大幅なダイヤ乱れが発生していた。

今回は北岳での冬山合宿に向けてラッセル練習をしようという目的で実施されたが、トレースが利用できてその点は不十分であった。しかし、悪いコンディションで行動することや天候判断などでは良い練習になったと思われる。特に今年度の初冬合宿は、幸か不幸か、素晴らしい天気のなかで行なわれたので、このような山行は良い経験であった。また、スタンディングアックスビレイは昨年の乗鞍岳での冬山合宿以降、実地では行なっていなかったので、このような機会をさらに多く設けるべきだと感じた。

2014年11月15日土曜日

2014.11.15 鷹ノ巣山 ボッカ訓練

鷹ノ巣山 山行記録                                                     作成:中山省吾


参加者:中山 (1), 黒沢 (1)

実施日:1115日 ()

行動記録:
1115           晴れ
0715奥多摩駅 0757東日原着0810 0822巳ノ戸橋 0920稲村岩分岐 1140ヒルメシクイノタワ 1232鷹ノ巣山1250 1405六ツ石分岐 1439三ノ木戸分岐 1608林道入口 1645奥多摩駅


今回はトレーニング山行と言うことで、中山は30kg, 黒沢は33kg のザックをそれぞれ背負った。奥多摩駅から東日原へと向かうバスは臨時便が出るほど込んでいた。東日原バス停から7,8分ほど歩くと、道路の左手に登山道入口の道標がある。そびえ立つ稲村岩がここからよく見えた。登山道はいったん川沿いまで下り、何度か沢を横切っている。ここから稲村岩尾根にとりつくまで急登が続く。急斜面を九十九折りに登って高度を稼ぐ。奥多摩にこんな急坂があるのかと思い知らされた。登山道入口から1時間ほどで稲村岩分岐に着いた。左に稲村岩、右に石尾根鷹ノ巣山の道標があったが、稲村岩へは行かずに鷹ノ巣山を目指した。ここからは尾根道であり、ブナ林になっていて足下には落ち葉が降り積もっていた。そのせいかところどころ道が分かりにくくなっていたが、尾根を外れなければ問題なかった。ひたすら単調で急な尾根を登る。落ち葉が滑るので不快な登りだった。下山してきた男の人に、偽ピークがいくつかあると教えられたので、ヒルメシクイノタワにはだまされずにすんだ。ヒルメシクイノタワから鷹ノ巣山の山頂まで50分ほどで着いた。広い山頂であり、南の斜面が開けていい景色だった。既に30人ほどが山頂にいた。登りで休憩は4回とった。15分ほど休憩してから下山を開始した。4月の青々とした石尾根と比べて11月は枯れ木がちになっていて、だいぶ印象が違った。石尾根はゆるやかに長く続く坂のイメージがあったが、ところどころ急な下りもあってスピードが思っていたよりも上がらなかった。また、登りで足を酷使していたのも下山が遅くなった原因だろう。林道に着いてからは近道を使って奥多摩駅に着いた。下りで休憩は3回とった。林道で一緒になった男の人に稲村岩尾根が奥多摩三大急登の1つであることを教えられて、全くそれにふさわしい急登だと思った。また、その人に鴨沢から雲取山山頂のピストンが日帰りで行えることを聞いた。駅のそばの食事どころで食事をとって温泉へは行かずに解散した。

2014年11月2日日曜日

2014.11.02 川苔山 ボッカ訓練

川苔山トレーニング山行 記録

作成者:黒沢隆浩
参加者:三浦玲児(L)、黒沢隆浩、杉山普(全員1年)

実施日:11月2日(日)

行動記録:11月2日 曇り

7:30古里駅-(赤杭尾根)-11:35川苔山・日向沢ノ峰分岐-12:28日向沢ノ峰-13:17川苔山・日向沢ノ峰分岐-13:38川苔山-(大ダワ)-16:08鳩の巣駅

古里駅で重りとしての水を汲み、出発。8:10頃に登山道に入る。序盤は傾斜が緩く歩きやすかったが、川苔山・日向沢ノ峰分岐手前の1,2時間は比較的急勾配の道が続いた。
日向沢ノ峰へのピストンは日没までに行動を終わらせるために空荷で行い時間短縮をした。

川苔山に登った後、奥多摩駅を目指し下山を開始。大ダワ方面の道に入ると、急な下り坂で足場も悪い場所が多く苦戦した。大ダワに到着し、奥多摩駅へ向かうルートでは日没までに行動を終了できないと判断し鳩の巣駅へのエスケープルートを選択。鳩の巣駅にて下山報告し、解散した。

2014年10月25日土曜日

2014.10.25-26 錫杖岳クライミング

2014/10/25 錫杖岳左方カンテ記録 白石薫平

晴れ

5:45平湯--6:15中尾温泉6:30--7:15クリヤ谷徒渉--7:45錫杖沢出合8:15--8:50左方カンテ取付9:10--12:20左方カンテ終了点13:30--15:00注文の多い料理店取付--15:55錫杖沢出合

24日金曜日に夜行バスで平湯に向かった。予定通り6時前に到着し、田中と合流した。ここで田中の車に乗せてもらい、中尾温泉に移動した。

6時30分に出発し、すぐに槍見館の前を通って登山道に入った。落ち葉の多い道を登り、7時15分にクリヤ谷の徒渉をした。徒渉後すぐに錫杖岳前衛フェイスが眼前に迫ってきた。赤テープとエクレアのキーホルダーを目印に登山道を外れ、錫杖沢出合に到着して設営した。

ここから取り付きまでは錫杖沢左岸の比較的明瞭な踏跡を辿った。陽が当たり、暑さに喘ぎながら取り付きには8時50分に到着した。

9時10分に登攀を開始した。以下、全てのピッチで田中がリードした。1ピッチ目・2ピッチ目は岩溝を登る。3ピッチ目は切り立ったフェイスを右上する。ガバに手が届くまではヒヤヒヤした。4ピッチ目はチムニー登り。5ピッチ目は岩溝状の場所を登ったが、ランアウトしてしまう。6ピッチ目はリッジを登り、テラスに出た。7ピッチ目は核心のオフウィズスだが、出だしでA0をした。オフウィズスから左のフェイスに出るところでも少々苦労した。最終8ピッチ目は剥がれそうなフレークを使いながら右上気味に登ってブッシュに入って登攀終了である。後ろからガイドパーティーが来ていたので、3時間程で抜けることになった。ブッシュで昼食を食べた。

下降は、初め1ピッチは同ルートを下り、残りの3ピッチは注文の多い料理店ルートを下りた。1、2、4ピッチ目は塚本が先頭で下り、3ピッチ目は田中が先頭で下りた。1ピッチ目で末端の結び目を解かずロープを回収しようとしてしまい、田中が少し登り返した。

下山は初め北沢を辿ったが錫杖沢岩小屋付近で滝があったので、左岸の踏跡を使って戻った。錫杖沢出合のテント場は盛況だった。薪を拾い、楽しい焚き火タイムとなった。田中からビールを頂き、おいしい麻婆春雨を食べた。焚き火はなかなか弱まらなかったが、暗くなってから下りてくるパーティーも多かったので、良い目印になったのではなかろうか。

左方カンテはIV級、V級の難し目のピッチが続くルートだったが、A0を交えながら登り切ることができた。フリーでの登攀力の向上と、脆弱なホールドやプロテクションに負けない精神力を本チャンルートに行って鍛えることが課題として浮かび上がり、現在地を把握できたクライミングだった。

2014/10/26 塚本

高速バスでの寝不足と左方カンテの登攀の疲れのせいか、二度寝三度寝をかましてしまった。一時間の寝坊。急いで作った朝食は夏山の残りのフルーツグラノーラとスキムミルクなり。食費を浮かせようとする白石の野望が見える。
テントを出ると周りのパーティーはすでに出発した後だった。今日はガイドブック通りにクリヤ谷を少し詰めクリヤの岩小屋から続く踏み跡をたどって前衛フェイスの基部に移り、第三ルンゼを登攀する予定。まず錫杖沢の方には行かずに、中尾温泉から続くクリヤ谷の左岸の一般登山道に戻る。歩いてすぐに渡渉がある。特に問題なし。右岸には大きな岩があり、これはボルダ―でもできそうな岩だなと思って気にせず先に進もうとする。振り返ると田中さんが考え込んでいる。もしやこれがクリヤの岩小屋?ガイドブックを見直すがいまいち距離感がしっくりこない。でも岩に向かって左側に踏み跡が続いている。田中さんが先導し踏み跡を確認してくださるが、踏み跡は続いているみたいだ。どうやらここクリヤの岩小屋らしい。危うく見逃すところだった。反省。
 踏み跡をしばし白石君が先頭で進むがすぐに見失う。田中さんが変わって先頭をやるが、だんだん踏み跡が薄くなっていき本格的なやぶ漕ぎが始まってしまう。登りだわ、暑いわ、落ち葉で滑るわ、枝がうるさいわで散々だった。
ほうほうの体で前衛フェイスの基部に付く。正面のルンゼを登っている二人組が見える。トポや写真のコピーを見比べると、どうやら第三ルンゼの取りつきについたようだ。しばしの休憩の後、ハーネスなどをつけ登攀を開始する。ガイドブックによると1P目はⅢ級と簡単なようなので田中さんに頼んで塚本がリードさせてもらう。2段に分かれていて下部は簡単な階段状。上部は正面が水がしたたっているルンゼで左側にはクラックがあった。下部の階段状は問題がなかったが、残置に導かれるまま登った上部のルンゼで大変な目にあった。濡れていてクライミングシューズが滑りそうになるわ、頭から水を被るわで心が折れそう・・・。たっぷり時間をかけて終了点にたどり着いたときは心底ほっとした。もっと精進しなければ・・。フォローの田中さんはもちろん問題なく登ってきたが、白石もルンゼの出口のところでなかなか悩んでいた。これのどこがⅢ級なんだよ。
P目は白石のリード。1P目でビビってしまった白石だがほとんど歩きのようなところで問題なく通過。カムまで決める余裕。3P目以降は田中さんがすべてリードした。3P目は残置の多い左側クラック沿いに登る。4P目はルンゼの中のチョックストーンには行かず左壁を登る。
P目で先行パーティーに追いつく。フォローの人が苦労しながらルンゼの内寄りの左壁を人工で登っていた。田中さんはそのすこし手前から左壁に取付き大きな上下に挟まった2つのチョックストンの間を左へトラバースして上へ回り込んだ。
セカンドは白石。最初の左壁の取りつきでなかなか上がっていかない。スリングやヌンチャク、ザイルを掴んでもだめ。結局20分ぐらいかかっても5mも登れずに敗退決定。白石はロアーダウンで下してもらい、田中さんはシングルでランニングを回収しながら懸垂して降りてくる。
このあと同ルートを懸垂して降りた。全て塚本が先頭で降りて行った。段々になっているのでバックアップをとり、ザイルの端を持って懸垂を行う。途中ルンゼ内で振られそうになるが何とか耐える。3回の懸垂で取りつきまで降り切ることができた。ただ最後の懸垂で白石が人の頭ぐらいの岩を塚本めがけて落としてきたので死ぬかと思った。さっきまで自分の頭があったところに落ちてきたので肝が冷えた。今回はビビったり、懸垂で振られたり、岩落としたりと白石がなにかとやらかしている・・・。
取付きまで戻り、一休み後、行きとは違い前衛フェイスの基部を左方カンテ側に進み枝沢に入った。この枝沢は踏み跡はほとんどなく岩が不安定だったり滑りやすかったりしたが、それでも行のやぶ漕ぎよりはるかに楽であった。結局テントのすぐ近くの河原に出た。

テントや荷物をまとめて下山。途中混浴の温泉でテンションが上がる3人。きれいなお姉さんがいないかなと話す。降りてみると本当に若い家族連れが入っていていかんともしがたい気持ちになる。田中さんの車で平湯のバスターミナルまで送ってもらう。紆余曲折の果て、市営の温泉に入る。最後は時間に追いかけられながらあわただしく高速バスに乗り込み東京に帰った。

2014年10月4日土曜日

2014.10.04 谷川岳一ノ倉沢

2014 年10 月TUSAC 一ノ倉沢山行記録
白石薫平

日程2014 年10 月4 日(土)
メンバー飯泉和史(CL)、白石薫平
天候曇り時々小雨
コースタイム群馬県谷川岳登山指導センター5:45–6:04 マチガ沢出合–6:22 一ノ倉沢出合6:30–7:15 ヒョン
グリの滝高巻き8:00–9:00 一ノ倉沢出合9:15–9:30 マチガ沢出合–9:50 群馬県谷川岳登山指導センター
2014 年6 月に澤田と私は、飯泉さんにリーダーをお願いして南稜を登ったが、その時は岩が濡れていて上
部2 ピッチを残して引き返した。それを消化するため今回は、衝立岩中央稜を登って6 ルンゼ右俣を下降後、
南稜の登り残しをこなし頂上経由で下山する計画を立てた。澤田は新疆ウイグル自治区旅行のため今回は参加
できなかった。
集合は3 日22 時駒場だった。飯泉さんの運転で関越自動車道をひた走り、途中1 時間ほどの仮眠を挟んで
4 日2 時30 分頃谷川岳ロープウェイに到着した。紅葉シーズンのため普段使っている立体駐車場は夜間閉鎖
され、少し下の駐車場に停めて車中で仮眠をとった。
朝は5 時過ぎに起き、共同装備を分けて5 時45 分に歩き出した。車道歩きの間、雲に覆われた新潟県側の
空が見えたり、飯泉さんの山岳会のメンバーが登攀を諦めて下りてきたりして、登れるか心配になった。一ノ
倉沢出合に到着して岩壁を見ると、中央稜基部より上はガスに覆われていたため、登攀を見合わせることを決
めた。ただ、6 月のテールリッジまでのアプローチは雪渓伝いだったため、ヒョングリの滝高巻きの様子を知
るために、そこまでは行くことにした。
初めは河原を歩き、すぐ右岸の道に乗った。しばらくして斜面を登る踏み跡と河原に下りる踏み跡に分かれ
た。最初は前者を選んだが途中で踏み跡が消えたので、引き返して河原への踏み跡に戻った。ここからはツル
ツルのスラブ状の岩の上を歩き、細かいスタンスを拾いながら右岸のリッジを登った。そこから再びブッシュ
の中のぬかるんだ踏み跡を歩き、ヒョングリの滝高巻きの懸垂支点に出た。支点には蛍光塗料が入った筒が結
いつけられていたが、夜間下りてきた登山者にルートを知らせるためだという。ここから25 m の懸垂下降と
クライムダウンを経て、一ノ倉沢本流の流れの傍に到着した。この後テールリッジまでは、徒渉してからスラ
ブをトラバース気味に登ってゆく。岩が濡れていてプロテクションも取れない場所なので、ここで引き返すこ
とになった。
この懸垂下降した斜面は飯泉さんが確保なしで登り、私はフォローで登った。水音が大きく声が通らないの
で、笛で連絡をとった。その後登りと同様に踏み跡を下りたが、途中で飯泉さんが他の登山者のタバコの副流
煙を吸い込み動悸がするというので、少々休んだ。登りで細かいスタンスを拾うのに苦労したリッジは25 m
の懸垂下降とクライムダウンで下り、河原に出た。登りと同じ道を下り、9 時に一ノ倉沢出合に戻った。
車に戻り、荷物を片付けて下山報告を済ませた後、温泉に入り食事をして19 時頃駒場に戻った。
この山行では登攀の成果は得られず、ヒョングリの滝高巻きを勉強するだけになったが、コンディション的
に仕方なかっただろう。そして前回、今回と強く感じたのは、一ノ倉沢は取り付きまでのアプローチに神経を
使う場所だということだ。雪渓がなく、岩も濡れていた今回はなおさらだった。山行の翌日に谷川岳の閉山祭
が催され今シーズンは終了したが、今後も一ノ倉沢に行く機会を作って総合力を養成したい。

2014年9月26日金曜日

2014.09.26-28 秋山合宿 甲斐駒ケ岳・仙丈ヶ岳

秋山合宿 甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳 山行記録                            作成者:中山省吾

参加者:白石 (2), 阪本 (1), 中山 (1)

実施日:926 () ~ 928 ()

経緯:当初、南アルプスの縦走(三伏峠~悪沢岳~光岳)を923日から928日の日程で予定していたが、23日の朝に中山が体調不良を訴え、取りやめとなった。代わりに926日から101日までの日程で、同じルートを計画したが、台風第17号の接近により、山行中の天候が危ぶまれたため、23日ないし12日の山行を新たに計画することにした。山行参加者の希望から、南アルプスの甲斐駒ヶ岳に登ることにした。黒戸尾根から登るルートは急登であるので、病み上がりの中山への配慮から、今回は見送った。北沢峠に定着して、サブザックで甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳に登るという、秋山合宿としては物足りない山行となった。


行動記録:

926             晴れ
甲府1000--1300北沢峠--1310長衛小屋1330---(栗沢山方面お散歩)--1430下降開始--1455長衛小屋

当日は甲府に集合した。早い時間に長衛小屋に着いたことから、白石、中山の二人で栗沢山を登ることにした。麓は早くも紅葉が始まっていた。ザックは背負わずに、水と地図を持って行った。その間、阪本は長衛小屋で休憩していた。ルートは木の生い茂った急な登山道だったが、快適に登れた。登山地図には、尾根道の眺望がよいと書いてあったが、標高2500m付近まで登っても視界が開ける地点まで到達できず、一時間登ったところで下山をした。この日の夕食は、麻婆春雨と味噌汁であった。18時に就寝した。


927             晴れ
400起床--長衛小屋500--510登山道--5:35二合目--555三合目600--609四合目--620上着脱ぐ623--625大滝頭五合目--640藪沢小屋--650藪沢分岐655--705馬の背ヒュッテ--712丹渓新道分岐--737仙丈小屋747--754地蔵尾根分岐--805仙丈ヶ岳833--854大仙丈ヶ岳900--923仙丈ヶ岳--1000小仙丈ヶ岳1020--1040大滝頭五合目--1110二合目--1130北沢峠

この日のコースタイムが6時間半であったため、遅めに出発した。朝食は汁粉であった。北沢峠の方の登山道から登り始めた。風が吹いていたので、立ち止まると寒く感じた。コースはうっそうとした山道であり、開けた所は二三箇所ほどであった。小仙丈ヶ岳と、馬の背の分岐では、阪本が行動中に便意を催す可能性があるというので、コース上に小屋のある馬の背ルートを選んだ。途中で川を渡った。特に難所もなく、仙丈ヶ岳に着いた。頂上にはすでに十数人の登山者がいた。よく晴れており、剱岳まで見晴るかされた。コースタイムよりだいぶ早かったので、大仙丈ヶ岳に登ることにした。大仙丈ヶ岳に至る尾根道は岩がちであったので、なかなか登りにくかった。下山ルートは、小仙丈ヶ岳を通るルートであった。よく整備された、開けた尾根道であった。この時間になると、すれ違う登山者が多くなった。小仙丈ヶ岳山頂で昼食休憩をとった。馬の背の分岐までは急な下りであり、登る人は皆辛そうであった。幕営地に着くのが早かったため、北沢峠まで行きこもれび山荘で休憩した。小屋では御嶽山の噴火が報道されていた。13時ごろにテント場に戻った。土曜日であったので、長衛小屋に帰るころには多くのテントが立っていた。夕食は、カレーとスープであった。17時に就寝した。


928             快晴
330起床--長衛小屋412--427仙水小屋--500仙水峠507--602駒津峰608--658甲斐駒ヶ岳715--753駒津峰758--827仙水峠--842仙水小屋--900長衛小屋


945分に北沢峠を出るバスに乗るために早めに出発した。前日の時点で、3時起床、遅くとも4時前に出発する予定だったが、寝坊したため出発が遅れた。朝食はフルーツグラノーラであった。仙水峠までの道は勾配が緩く快適に進んだ。途中何度か橋を渡り、林を抜けた。仙水峠に近づくにつれ、河原にあるような大きな石が多くなった。ここまで真っ暗だったが、夜が明け始めたため仙水峠を登って10分でヘッドライトを切った。駒津峰までの登りは、案外長くて、なかなか着かなかった。何箇所か開けた所があったが、気が生い茂るルートであった。駒津峰への最後の登りは、岩になっていた。駒津峰からは急な岩の下りとなっており、苦労した。道が平らになると左右にハイマツが生えてきた。甲斐駒ヶ岳に登る直前の分岐では直登ルートではなく巻き道ルートを選んだ。甲斐駒ヶ岳の登りは途中から砂地になっていて、苦しい登りであった。この日もよく晴れており、眺望は抜群であった。休憩を短めにして、下山を始めた。駒津峰で休憩をした後は、長衛小屋までは休憩をとらなかった。予定よりだいぶ早く小屋に着いて、バスに無事間に合った。風呂は芦安でなく、甲府の「喜久の湯温泉」に入った。甲府で解散した。

2014年9月17日水曜日

2014.09.17-22 秋山合宿 表銀座~槍~裏銀座

2014年秋合宿(槍ヶ岳)記録
作成者:杉山 普
参加者:土井, 黒澤, 杉山, 三浦, (OBが殺生小屋まで)

隊列はほぼ終始 土井、杉山、黒澤、三浦、岸の順

17 ()
11:20中房温泉(二日分の水確保) - 12:30休憩12:37 - 13:30休憩13:40 - 14:25合戦小屋14:35 - 15:35燕山荘着
(テント張など) 16:30燕山荘発 - 16:48燕岳17:00 - 17:12燕山荘着
18:00夕食
19:00就寝

6:30に分倍河原に集合して岸OBの車で中房温泉へ移動。殺生小屋まで水場がないということで、そこで三俣山荘までの水(各自7kg程度)を確保した。中房温泉から燕山荘までは4時間程度の行程だが、勾配が急で荷物が重いこともあり久しぶりの山行の体にはきつかった。
燕山荘到着後テントを張って休憩し、空身で燕岳を往復した。

18 ()
4:00起床
05:30燕山荘発 - 06:28休憩06:38 - 07:32休憩07:40 - 08:33大天井ヒュッテ08:45 - 09:38休憩09:48 - 10:37西岳小屋10:45 - 11:47休憩11:55 - 12:47休憩12:57 - 13:42休憩13:52 - 14:10殺生小屋着
16:00夕食
17:30就寝

道中雪のようなものが見られた。

19 (快晴)
4:00起床
5:55殺生小屋発 - 6:30槍の肩の小屋6:35 - 6:50槍ヶ岳7:02 - 7:20かた小屋7:26 - 8:24休憩8:34 - 9:32休憩9:42 - 10:37休憩10:47 - 11:43休憩11:53 - 12:48休憩12:58 - 13:37三俣山荘着
15:50
17:30就寝

この日の早朝は気温が零下3度と寒かった。槍の肩の小屋で荷物を置いて空身で槍ヶ岳を往復した。肩から頂上までは急な岩場になっており、ところどころに梯子や鎖が設置されていた。三俣山荘のテント場で東北大山岳部に出会った。

20 (曇のち晴)
03:30起床
05:00三俣山荘発 - 06:14鷲羽06:20 - 07:15休憩07:25 - 07:50水晶小屋07:55 - 08:20水晶岳08:30 - 08:48水晶小屋 - 09:51休憩10:01 - 11:55休憩12:05 - 13:00休憩13:10 - 13:58烏帽子小屋
水五本購入
16:00夕食
17:30就寝

コースタイムが長かったため朝早めにヘッドライトを付けて出発した。ただし、杉山のヘッドライトは故障していたため点灯しなかった。急な上り下りは少なく眺めの良いコースだった。烏帽子小屋は地図では水マークがあったが水場がなかったため、不本意ながら200/1Lの水をプラチパス5本分購入した

21 (快晴)
4:00起床
5:30烏帽子小屋発 - 6:20烏帽子岳山頂 - 06:40休憩06:45 - 07:40休憩07:50 - 09:56休憩10:07 - 10:57休憩1:17 - 11:06休憩11:14 - 13:05船窪小屋

早朝気温が低くテントが凍結していた。中盤から縦走らしくない森林の中での急な上り下りの連続でまるで入山と下山を繰り返しているようだった。今回の山行でもっとも歩きづらく体力的にきついコースであった。船窪小屋の水場は崖の途中にあり危険で神経を使った。

22 (快晴)
3:30起床
船窪小屋4:50 - 5:50休憩6:00 - 6:50北葛岳7:00 - 7:52休憩8:02 - 8:54休憩9:04 - 9:25蓮華岳 - 10:10針の木小屋10:30 - 11:31休憩11:41 - 12:41休憩12:50 - 13:35扇沢

早朝ヘッドライトを付けて出発した。このときには杉山のヘッドライトの故障は直っていた。道中で剣岳が見えたらしい。針の木雪渓の雪はほとんど溶けており、夏道のみで下山できた。針の木雪渓の沢沿いに降りていくと車道にぶつかったがそこから扇沢のバス乗り場への行き方が分からず少し迷った。結局その地点からさらに下って行き扇沢バス乗り場に着いた。

2:00扇沢発のバスに乗って信濃大町駅まで行き、駅近くの旅館の風呂に入ってから夕食をとった。17:08信濃大町発の新宿行きバスに乗って帰京した。