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2013年6月22日土曜日

2013.06.22-23 谷川岳衝立岩中央稜

個人山行記録
目的地:谷川岳衝立岩中央稜
参加者:田中(OB)、塚本
天候:くもり時々晴れ(夕方に軽い夕立)
日程:2013年6月22日~23日
行動記録:
6/22  離京(17:00)=土合駅(20:45)…合流(22:30)=ロープウェイ土合口駅駐車場(23:00)

当初は北岳バットレスの予定だったが、ゲートがまだ開いてないことが判明し谷川岳に変更。さらに台風が来そうだったため21日入山を22日入山に変更。ちなみに21日は谷川は大雨で中央稜は登れなかったらしい。そんなこんなで22日夜に池袋から鈍行で土合駅へ。高崎あたりで田中さんから遅れそうとの連絡が入る。下りホームから地上への階段は噂通り疲れる。無人駅たる土合駅ではたくさんの人が寝ている。大学のサークルらしき人やワンゲルみたいな連中もいる。月が出ているが若干の雲がある。結局田中さんとは22時半ごろ合流。車のエンジンオイルが漏れたらしい。一の倉沢までは入らずロープウェイの地下駐車場で幕営。ほかにも同様に幕営している人が多い。駐車場は思いのほか明るくうるさい。

6/23  起床(4:00)…駐車場(4:45)~一の倉沢出会い(5:30~6:00)~テールリッジ基部(6:20)~取りつき(7:20~9:00)~リッジ、一ピッチ目終了点(9:45)~第二フェイス(11:15~11:30)~ピナクル(13:15)~衝立岩ノ頭(14:40~15:10)~懸垂下降~取りつき(17:25)~テールリッジ基部(19:00)~一の倉沢出会い(19:20)~駐車場(20:10)=水上駅(20:50)=離京(0:20)

ルートが混みそうなので少し遅れていく。取りつきは最後になりそうだ。登山口の指導センターにて計画書提出。ここで少しトラブル発生。要約すると東大スキー山岳部は日山協に認定の団体ではないから10日前に計画書を出せとのことらしい。今回は見逃してくれた。低姿勢で対応したためだろうか?少しは青空が見えるが天候は終始曇り。暑くならなくてちょうどいいかもしれない。一の倉沢出会いにてトイレにより、ハーネスを装着。水も汲む。テントが数張り張ってある。一の倉沢に入り、滝の高巻が少しあるが残置ロープが張ってありそんなに長くない。すぐに雪渓上にでる。雪は固くなかなかけりこめない。アイゼンは駐車場においてきてあるが、ピッケルは持っている。田中さんは渓流足袋で歩く。テールリッジ末端にてピッケルを残置。岩が濡れているためここでクライミングシューズに塚本は脱ぎかえる。テールリッジでは末端と上部でロープを出す。どちらにも残置のロープが置いてある。取りつきにつくとすでに大勢の人が…。10パーティーぐらいはいるだろうか。南稜にも多くの人がいる。取りつきのすぐ近くで休むと落石がありそうなので少し離れたところで休む。衝立岩の中央カンテに取りついている人が見える。取りつきで一時間半ぐらい待つ。北稜の懸垂は衝立前沢の雪渓の状態が悪そうで行きたくない。今回は終始田中さんリードでいく。ランニングはヌンチャクやシュリンゲで取る。声が聞こえない時のためロープを三回引いたらビレイ解除、二回引いたら登っていいの合図と取り決める。のちに合図を受け取ったら同様に引いて返すと取り決める。1ピッチ目は左上ルンゼ~リッジへ。階段状で逆層。浮石がありちょっと怖い。取りつきから終了点は見え、声が届きやすい。リッジにでると残置が二カ所あるがよりリッジに近いところでたまる。三人ぐらいはたまれる。ここで少し待つ。あとから登ってきた沼田山岳会の方たちはここで引き返す。二ピッチ目の泥のルンゼは少しトラバースをしてからルンゼを上がる。岩が濡れている。声が届きにくい。終了点は上からしずくが落ちてくる。三ピッチ目の凹角~フェースも最初が少しのトラバース。ここも声が聞き取りづらい。上から引かれているとトラバリが若干怖い。フェースに出ると高度感があって楽しい。四ピッチ目は明るく開放的なクライミング。ピッチの最後のチムニーの出口が核心部。ほかのパーティーのアブミがかかっていたのでそれも回収させられる。結局チムニー突破はあきらめ烏帽子側にへつってから上がる。先行パーティーはここから懸垂するらしい。5ピッチ目のルンゼから右側の凹角を直上。ピナクルにビレイ点がついている。6ピッチ目のフェースもテンポよく通過。終了点にて懸垂下降のパーティーと遭遇。少し待つ。7ピッチ目は左の泥のルンゼ。上部でブッシュが多くなってくる。8ピッチ目はそんなに難しくなくビレイもいらないほどで短い。9ピッチ目は衝立岩側に少し降りルンゼを登り衝立岩の頭に出る。ここで少し休憩。後続のパーティーがいないのでここから来た道を懸垂下降する。どれも残置を使う。1ピッチ目はルンゼをシングルで下降。2,3ピッチ目もシングル。6ピッチ目の終了点の凹角のところまで出る。ここからダブルで懸垂。いくら待っても田中さんからコールがかからないのでロープが動いているのを確認し織り出。しかしここでロープが回収不可能になり田中さんがプルージックで登りなおして回収するはめに。ほかのパーティーは凹角の中をを懸垂せずハイ松の生えているリッジを側を懸垂していたのでそうするべきだったようだ。5ピッチ目はピナクルからの懸垂。回収できなくなるといやなので短くピッチを切る。6ピッチ目で4ピッチ目の終了点までつく。ここから3ピッチ目の終了点まで懸垂。7ピッチ目は1ピッチ目の終了点までの懸垂。結局懸垂には8ピッチかかった。テールリッジでも上部と末端でダブルで懸垂。雪渓上に出た時クライミングシューズなので滑って転んだ。下りの雪渓は固くなかなかけりこめずよく滑った。滝の高巻も怖かった。結局林道にでた時には真っ暗になっていた。幽霊が出そうで怖かった。駐車場から水上駅まで田中さんに車で送ってもらう。終電に乗ることができ、東京についたのは日付が変わってからだった。


田中さんの記録(HPより勝手に拝借)
谷川岳一ノ倉谷衝立岩中央稜

13年ぶりの一ノ倉…

2013/6/23 晴れ
450 ロープウェイ駐車場発
530-55 一ノ倉谷出合
620 テールリッジ取付
720-910 中央稜取付
1435-1500 衝立の頭
1725 中央稜取付
1850 テールリッジ取付
1920 一ノ倉谷出合
2000 駐車場

前日車のトラブルで到着が遅れ一ノ倉出合まで行けず駐車場で寝る。
一晩中入車があることと騒がしい団体がありうるさくて寝れなかった。

ロープウェイ駐車場はテント多数有…。
ルートの混雑による順番待ちが予想されたので、出発も明るくなってからゆっくり行く。

テールリッジ取付から衝立岩

青空は見えているが国境稜線は終始雲に覆われていた。
涼しくて過ごしやすい天気だった。


予想通り中央稜と南稜は順番待ちの行列。一方他ルートはダイレクトカンテ以外誰もいない…。
中央稜は10パーティーくらいか…。
取付きで1時間40分待ち。ルートに取付いてからも各テラスで順番待ちが続く。

P目で途中で下降するパーティー、5P目で下山するパーティーとすれ違い、上部は誰もいなくなったので残りの簡単なピッチを衝立の頭までテンポよく登った。



我々が最後で誰もいなくなったので同ルート下降。

上部は傾斜も緩くブッシュも多く下降ルートも直線的ではないので、少し長めに降りるとロープ回収できない。ロープ1本で細かく刻んで降りた方が良い。ロープ2本で伸ばせるのは下部2ピッチくらい

2013年6月15日土曜日

2013.06.15 日和田山クライミング訓練

日和田山クライミング訓練
日時 615日(日)
参加者:塚本(L)、津田、白石、澤田、松本、森さん(ガイド)、岸さん(G)、内田さん
場所:日和田山女岩
森さんを講師として新人のためにクライミング訓練を行った。当初は巾着田に前泊し土日両方行う予定だったが悪天候が予想されたため土曜日はカット。日曜日も開始時間を八時から十時に遅らせた。

訓練内容:プルージック、エイトノット、インクノット、セルフビレイの取り方、懸垂下降、登攀、ビレイ

2013年6月1日土曜日

2013.06.01-06.02 谷川岳マチガ沢雪上訓練

谷川岳マチガ沢 雪上訓練
文責:土井崇史(2)
メンバー 
 OB 伊東毅(L) 益崎健二郎 岸元士 小田光康 田中淳一(SL)
 現役 金山慎介(2) 塚本宇信(2) 津田啓仁(2) 土井崇史(2) 
澤田健太郎(1) 伏見修一(1)

日程 61()2()

61
天候 晴れ
6:30分倍河原駅~<>~10:10ロープウェイ土合駅~11:00マチガ沢出合い~テント設営~11:45出発~12:30休憩~13:00-15:30雪上訓練~16:10帰幕、調理~17:00夕食~18:00現役部員のみ周辺散策~19:30就寝

朝はいつもの6:30分倍河原に全員無事集合し、ロープウェイ土合駅に到着。近くの休憩所より林道に入り、30分ほど歩いてマチガ沢出合いに到着した。まずテントを設営。部では3つのテントを用意したが、そのうちの1つのテントにカビらしき黒い斑点がところどころ認められ、また雨除け用フライが部室で見つからず冬用外張りで代用することになってしまった。合宿前後の装備の管理やチェックが甘かったと痛感した。行動用ザックに必要な荷物を整理し出発。雪渓に入ると早速キックステップで進む。晴天で雪が柔らかく崩れやすいのでしっかり蹴りこんで登る。ちょうどスキー大会が行われていて軽快に滑るスキーヤーを数人見られた。途中樹木が密集したあたりで30分ほど休憩。岸からメロンがふるまわれ、皆美味しく戴いた。またその時に1年生は上級生の指導の下ハーネスやアイゼンの装着手順を確認した。そこから少し登ったところにすべりやすそうで緩やかな傾斜を見つけ、雪上訓練を始める。本日はピッケルを使った滑落停止の練習。OBの方々が上方からの落石の見張りや下方でザイルを横に張った上での待機を、主に田中や2年が初の雪上訓練に取り組む1年の指導をした。1年は2人だけであるため、2年も模範演技もかねてさまざまな体勢での練習をすることができた。2年は昨年の雪上訓練時からの上達を実感し、1年は早くも一連の滑落停止動作を吸収したように思われる。帰幕し水汲みを終えると、調理を始める。夕食は合宿ではすっかりお馴染みの麻婆春雨。食後現役部員6名で周辺を散策した。一ノ倉で険しく立派な岩場を眺望することができた。テント場に帰ると、OBの方々が焚き火を囲み談笑していた。OBと金山がTUSAC LIEDを合唱し、皆それぞれのテントに入り就寝。

62
天候 晴れ
5:00起床、撤営、整理~6:00朝食~6:40出発~7:50休憩~8:30ニの沢着~8:30-14:30雪上訓練~15:10帰幕~15:50出発~16:20ロープウェイ土合駅~<>~16:50温泉~<>~18:00赤城高原SA、夕食~<>~21:20分倍河原駅

予報では雨となっているが予定通り行程を進めることにする。朝食前に、調理する人とテントの撤営をする人とで分かれて作業をする。テントの撤営はやはり雨や雪がない環境だとスムーズにこなせる。朝食はやはり定番の棒ラーメン。食後行動用ザックを整理し行動開始。昨日と同じ場所で休憩し、そこから昨日の雪上訓練の場所より2つ上の沢、ニの沢に向かった。昨日より雪が締まっているが傾斜が急なため、しっかり蹴りこんで足場を作りながら登って行かなければならない。アイゼン装着なしのキックステップの良い練習になった。二の沢につくと早速アイゼンとハーネスを装着し、アイゼン歩行の練習を行った。直登、直下降、斜め、トラバース、とさまざまな種類の歩行を練習した。雪は湿っぽくアイゼンの爪が利きにくかったが、アイゼンを斜面に対しフラットに置く基本的なことを1年生はすぐに習得した。その後ザイルワークの練習を行った。現役部員6名は、澤田・金山・塚本、伏見・津田・土井、と3人ずつ2パーティーに分かれた。練習内容は、トップ、セカンド、ラストの、雪面登攀における一連の作業である。
1ピッチの流れを確認の為整理しておく。まずトップが末端をハーネスにつけ滑落しないよう注意深く登る。セカンドがATCを使いボディビレイを行う。トップが登り切りスノーバーで支点を造りセルフビレイを取ると、「ビレイ解除!」とビレイヤー(セカンド)に大声で呼びかける。それを聞いたセカンドはビレイを解除する。トップが余分な長さのザイルを引き上げる。ザイルの長さいっぱいまで引き上げた後、上と下でそれぞれザイルの適当な部分をクローブヒッチにて支点に固定。次にセカンド。セカンドはスリングをザイルに対し巻きつけ結びで結びつけ、カラビナにてハーネスとつなぐ。この巻きつけ結びによるザイルとの摩擦により、セカンドは誰かに確保してもらわずに自分の滑落を食い止めることができる。巻きつけ結びを手でスライドさせながらセカンドは登る。登りきったセカンドはセルフビレイを取った後に巻きつけ結びを解除。そして上と下でそれぞれクローブヒッチによるザイル固定を解除。最後に登るラストをセカンドがビレイする。今度のビレイは、ザイルをセットしたATC(自分のハーネスではなく)支点にカラビナにてつないで行う。ラストは登る前に下にセットしたスノーバーやスリングなどすべて回収する。ラストは登りきったらセルフビレイをとり、セカンドはビレイを解除する。>
次に行った訓練は、グリセードという、登山靴で雪の固い斜面を滑降する技術である。2年は昨年の雪上訓練で練習できなかったため、現役部員は皆初めてとなる。伊東や田中をはじめOBが指導や模範演技を担当。山靴の底を雪面にフラットに置き、膝を曲げバランスをとりながら滑り降りる。その間ピッケルの石突を反利き手側の後方につき、スピード調整をする。左右に曲がるときは滑降しながら踵を軸にして足のみを回転させる。というのがグリセードのコツであるが、実際にやるのはなかなか難しい。それでも徐々に上達してきた。最後に現役部員はグリセードを失敗したときの滑落を停止する訓練を行い、雪上訓練を終えた。

途中二の沢とは別の、本流ですさまじい土砂崩れを我々は遠くで目撃した。数百もの岩が30秒ほどかけて流れ、その後その雪渓は土砂で覆い尽くされた。我々が訓練した雪渓でこのようなことが突然起こったとしたら、我々は為す術もなく巻き込まれ、ひとたまりもなかったであろう。それでも二の沢でこのような土砂崩れが起こらなかったのは幸運だったからではない。雪渓の上に落石の跡と思われる岩石が散らかっていないということ、昔から雪上訓練が行われてきていている雪渓であったことから、二の沢は土砂崩れが起こる可能性が極めて低い雪渓であると判断し、その上で二の沢を選んで雪上訓練を行っているのである。